介護施設や病院で実績多数。オーダーメイドの介護システムバス
掲載開始日:2018-06-25 00:00:00.0
高齢化の進行とともに介護施設や介護サービスが増えていく中、そこで使われる設備に対するニーズも多様化しています。その一つが、今回取り上げる『介護用の浴室』です。介護・介助のための浴室を設計するにあたっては、いわゆる介護用のシステムバスがその選択肢に入りますが、それぞれの施設で入浴される方の体格や身体の状態、また介護内容は様々です。個々人の状態に適した、快適で作業性の高い浴室を追求すれば、「オーダーメイド」に行き着くのは必然とも言えます。今回は、介護用のオーダーメイドシステムバス『介護ゆとりっくす』を手がける、ダイワ化成株式会社(福岡県福岡市)に話を聞きました。
今回紹介する技術と製品
オーダーメイドシステムバス
『介護ゆとりっくす』
『介護ゆとりっくす』は介護や介助の現場ニーズに即した、快適で使いやすい浴室が設計できるオーダーメイド システムバスです。浴室の広さや高さ、ドアの位置や数のほか、設備機器などの取り付け位置まで様々な要素が自由に選べます。独自の工夫を凝らした機能的な介護設備も豊富に用意し、入浴する人と介護する人の双方が快適な浴室環境を構築できます。
この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。
オーダーメイドのシステムバスを事業展開。
介護ニーズの高まりに応え、『介護ゆとりっくす』を発売。
ダイワ化成株式会社 営業部 設計技術課 木原 成美 氏
当社の創業は1969年に遡ります。主に「簡易水洗トイレ」の開発やその販売から、事業がスタートしました。その後、事業範囲を同じ“水まわり”であるお風呂に拡げ、その中でもシステムバスの取り扱いが拡大していきました。
システムバスはもともと規格品を取り扱っていましたが、お客様からは「ここを、もっとこうしたい…」などの要望が出てきました。一方で我々も小回りが利く体制ではありましたので、その要望にできるだけ応えられるように対応を進めていきました。その結果として様々なカスタム対応ができるようになり、「だったら、お客様のご要望を全て叶えるお風呂を作ってしまったほうが良いのではないか?」ということで、『オーダーメイドのシステムバス』を発売するに至りました。
実際に『オーダーメイドのシステムバス』を発売すると、“介護向け”の案件が増えていきました。時代背景的に介護施設が増加していたこともありますが、「この手すりやこの器具を、この場所につけたい!」といった、規格品ではどうしても対応できないニーズにも応えられることで、多くの支持をいただきました。
そこで、“介護向け”のオーダーメイドシステムバスの新ブランド『介護ゆとりっくす』を立ち上げました。
サイズ・仕様・レイアウトが自由。
衛生・安全面はもちろん、介護の作業性も追求。
サイズ・仕様・レイアウトが自由。オーダーメイドでスペースも無駄なく使え、使い勝手も抜群。
オーダーメイドの『介護ゆとりっくす』は、サイズ・仕様・レイアウトを自由にオーダーすることができます。浴室の広さや高さ、ドアや窓の位置や数、手すりの位置や形状など、ほぼ全てが自由自在です。結果として、それぞれの介護現場に適した、入浴しやすく、また介護が楽なシステムバスを導入いただくことができます。
また、当社の設計・開発チームは、「現場」を最重要視しています。『介護ゆとりっくす』を導入いただいた施設に設計チーム自らが足を運び、実際に入浴されている様子を見学させていただくこともあります。入浴の現場を目にすることで、我々が想定している動きや使い方とは異なる部分が見えてくるからです。
例えば、様々な部材の「カド」の部分。『介護ゆとりっくす』では、その多くが丸みを帯びています。以前は角ばっているものもあったのですが、実際に使用している光景を見ると、我々の想定外の所で危険が及ぶ可能性が垣間見えたので、“丸く”改善しています。
また、介護やデイサービスの入浴では、衛生面への配慮から、一人が入浴したらすぐに掃除を行う必要があります。排水溝の蓋の取り外し、清掃についても、日々何度も繰り返す作業なので「取り外しやすく、掃除しやすい蓋」を追求しました。浴室のメンテナンス性については、介護する側の立場に立った際に特に重視されるポイントです。
こういった改善は、ある日突然大きなものが生まれるわけではありません。目の前に見える不便や、ちょっとした危険を1つ1つ着実に取り除いていく作業が重要だと考えています。
「お風呂が楽しみでここに来ています」というデイサービスの声。
「同じものがほしい」というリピート、指名も多数。
「入浴の快適さ」と「介護の作業性」を追求
ありがたいことに、『介護ゆとりっくす』は一度ご利用いただいたお客様からのリピートが本当に多いです。
上述の通り、「入浴される方の快適さ」や「介護作業をされる方」の作業性を重視した結果、『介護ゆとりっくすを選べば安心』というお言葉も頂戴しています。通常のシステムバスに比べるとどうしてもコストは高くなりますが、金額ではなく、“現場の人の快適さ”を想っての付加価値で選んでいただけているものと思います。
実際、私もデイサービスを訪問した際、入浴されたおばあさまから笑顔で言われた一言がとても印象に残っています。『お風呂が一番の楽しみで、ここに通っています。』というものです。本当に、涙が出るほどうれしかったです。
また、お客様と直接接する営業担当に対してのご評価をいただくこともあります。当社はお客様の情報を一元管理しており、お客様ごとの状況や過去のやり取りなどを全社員がすぐに把握することができます。特に営業担当はそれぞれiPadを持ち歩いており、お客様の情報にいつでもアクセスできます。したがって、お客様から相談を受けてもすぐに的確な回答ができますし、お客様からすれば「話がスムーズ」というご評価になるものと思います。
『介護ゆとりっくす』の製品力はもちろんですが、「営業担当の対応、会社の対応が良かったから」というソフト面で導入を決めていただくこともあります。お風呂を導入した後も、メンテナンスや改良の相談など、パートナーとしての関係は続いていきますので、こういったホスピタリティ、お客様対応の気持ち良さは、当社としても重要なポイントかと思います。
実用性に加え、デザイン性も付加。
介護のお風呂に「楽しさ」を。
介護での実用性はもちろん、お風呂の「楽しさ」も追求していく。
おかげさまで『介護ゆとりっくす』は、それぞれの介護施設で、その現場に即した快適なご入浴を提供できているものと思います。今後当社では、引き続き機能面の改善を行っていきますが、それとは別の、まったく新しい価値も提供したいと考えています。それは、介護のお風呂の「楽しさ」です。
従来の介護用システムバスでは、何より機能性が重視されるため、配色やデザイン、質感がどうしても味気ないものになってしまっていました。それを、デザインによるアプローチで変えていこうと考えています。
当社では、オーダーメイドシステムバスを軸に、高級ホテルやハイグレード住宅向けの別ブランドとして「D-style」を展開しています。「D-style」では高い質感やそのデザインが大きな特長です。このノウハウを『介護ゆとりっくす』にも適用することで、デザイン的にも「入って楽しいお風呂」がご提供できるものと思います。
『介護ゆとりっくす』を実際に見て、触って体感いただけるショールームは東京と福岡に開設しています。ぜひ一度、お気軽にお越しいただければと思います。