ガスと電気のハイブリッド給湯・暖房システム。省エネと快適を両立

掲載開始日:2017-06-05 00:00:00.0

ガスと電気のハイブリッド給湯・暖房システム。省エネと快適を両立 リンナイ株式会社

 「お湯」。蛇口をひねれば当たり前のように手にすることができ、あまりに身近すぎて見過ごしてしまいがちですが、私たちの快適な生活には必要不可欠なものです。そのお湯を作り出す「給湯」について、従来は「ガス」と「電気」、大きく2つの方法がありました。それぞれにエネルギー効率を追求する時代が長く続きましたが、昨今、それらを組み合わせた「ハイブリッド」の給湯システムが誕生しました。リンナイの『ECO ONE(エコワン)』です。暖房システムまでをもカバーし、1台で「お湯を使った快適な生活」を実現するこの製品について、開発の経緯を聞きました。

今回紹介する技術と製品

ハイブリッド給湯器 ECO ONE

空気の熱を利用するヒートポンプ式“電気”給湯器と、“ガス”でお湯を沸かす高効率給湯暖房機「エコジョーズ」を組み合わせ、給湯一次エネルギー消費量の低減をを実現。また、給湯時のエネルギー消費量を大幅に削減することで、床暖房を併用しても、住宅設備全体のエネルギー消費量を最小限に抑えることを可能にしました。「ECO ONE」は住宅の省エネ化と快適な暮らしを両立させることができる給湯・暖房システムです。

この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。

ガスと電気を組み合わせた
ハイブリッド給湯・暖房システム ECO ONE(エコワン)。

営業本部 営業部 ハイブリッド営業室 柴田 毅 氏

 当社は1920年の創業以来、総合熱エネルギー機器メーカーとして、「熱を通じた快適な暮らし」を実現する製品、サービスを提供してきました。「ガス給湯器」はもちろん、コンロなどの「厨房機器」、ファンヒーターやストーブをはじめとした「空調機器」など、ご家庭や業務用の様々な場面でご利用いただいています。

 今回ご紹介する『ECO ONE』は、ガスと電気の2つのエネルギーを最適なバランスで組み合わせた「ハイブリッド給湯・暖房システム」です。

 昨今、給湯器として一般的に知られている、「ガス高効率給湯器 エコジョーズ」と「電気を用いたヒートポンプ給湯器 エコキュート」の双方の強みを生かし、またその弱みを補完しながら、さらなる省エネ性能、快適性を追求しています。

ヒートポンプ給湯器「エコキュート」の登場とオール電化の拡大。
それに対抗するための新製品開発。

ECO ONE ~ヒートポンプとエコジョーズが必要なお湯の量に合わせて最適な運転を行う。
平成28年度 省エネ大賞「省エネルギーセンター会長賞」受賞

 ECO ONE 開発のきっかけは2004年ごろに遡ります。それ以前、「給湯器」におけるガスの優位は圧倒的でした。しかし、2001年に登場した電気給湯器「エコキュート」が、その流れを変えました。

 エコキュートは、従来の電気温水器とは全く異なる新技術「ヒートポンプ方式」を採用し、高いエネルギー効率と、深夜電力を使うことによる低コストでの運用を実現していました。電力事業者全体で推進していたオール電化やIHなどと相まって、「給湯」分野での業界絵図を、着実に塗り替えていきました。

 当社としてもその影響は見過すことができず、「ガス給湯」という立場から、どう対抗軸を打ち出していくのか?その対応に迫られました。

 当時、「給湯においてはガスがナンバーワン」という自負がありましたし、当社が誇る「ガスの燃焼技術で対抗するべきだ」など、様々な議論がありました。しかし、ヒートポンプを調べれば調べるほど、技術的に優れた点が見つかり、ガスではどうしようもないものもありました。

 そこで、「ガスと電気の良い所」を組み合わせて給湯する「ハイブリッド給湯器」の開発に着手しました。 長年、ガス給湯器を手掛けてきた当社からすれば、「電気の力を借りる」ことに抵抗はありました。また大きくは、ガスと電力という「給湯」をめぐる両事業者間の板挟み的な立ち位置を取ることにもつながりかねませんでした。

 しかし、『お湯を使った快適で省エネな生活を提供する』という大局的見地に立てば至極、合理的なものです。これは、ECO ONE の商品コンセプトでもあります。当時のこの決断は、当社における一つのパラダイムシフトだったと思います。

 ガスと電気、それぞれに長所があります。ガスは必要な時に必要なだけ、瞬間的にお湯が沸かせます。給湯装置もコンパクトです。一方、電気はヒートポンプを使い貯湯すればエネルギー効率が高い。それらをいかに組み合わせ、快適さを提供するか。それを追求しました。

1台で「お湯を使った快適な生活」を実現。
日本人ならではの生活スタイルが生んだ ECO ONE。

給湯はもちろん、床暖房のランニングコストも削減。

 まず、ヒートポンプはエネルギー効率がとても高い。なので、それをどう利用するか考えました。調べてみると、エコキュートは冷媒にCO2を使っていました。CO2冷媒は90℃近くまで加熱でき、高温で貯湯するエコキュートには適しています。

 一方、私たちが普段の生活で使用するお湯の温度は40℃くらいです。ハイブリッドではお湯が不足すればガスで瞬間的に沸かすことができますので、「高温」で貯湯する必要性はそれほど高くありません。そこで、貯湯は45℃くらいで行うこととし、その温度への加熱に最適な冷媒を使用することにしました。現在は、オゾン層破壊係数がゼロの最新冷媒R32を使用しています。

 また、貯湯の量も減らしました。大量の貯湯は、それらを使わなかった場合にエネルギーを無駄にする可能性があります。貯湯は「必ず使い切る量」とし、最初のモデルでは50リットルでした(今は100リットル)。 そして、それらの総体として、エネルギー効率で100を超えることを目指しました。

 結果、ECO ONE は快適にお湯が使えることはもちろん、お風呂の追い焚きや浴室暖房、床暖房やパネルヒータ、衣類乾燥など、「日本人の快適な生活」を1台で、しかも、これまでにない省エネルギーで実現できる製品になりました。

 年間のランニングコストは、ガス給湯で57%、床暖房で38%と驚異的な削減幅を達成しています(上図のモデルケースにて)。エコキュートを上回る省エネ性能で、ガスと電気のライフラインを併用しながら、光熱費を大幅に削減できます。ガスや電気の自由化が進む中で、エネルギーの価格は様々な要因で変動しますが、それらの環境変化に十分適応できる給湯器ともいえます。

 さらには、スマートフォンとの連携や、太陽光発電の電力活用、家庭用蓄電池による自立運転など、時代に合わせた数々の便利な機能も兼ね備えています。

 おかげさまでECO ONEは、新築やリフォームの際にその「快適さ」や「経済性」から、多くのお客様にご指示をいただいています。

都心のホテルなどに最適。
大容量・高効率、スリムな業務用給湯システム。
24時間遠隔監視で万一のトラブルにも素早く対応。

省スペースで設置でき、ボイラー資格者も不要。
屋上スペースが狭い高層ホテルなどに最適。

 ECO ONE は主に一般住宅向けですが、大型施設向けに提供しているのが高効率ガス給湯器『DECA-Q』です。利便性や施工性、高効率、省スペースなど、業務用のガス給湯システムに求められる機能を凝縮し、ホテルや学校、スポーツ施設、病院、介護施設などの大規模施設で活用いただいています。

 特に近年、人気を博しているのが「即適温のお湯が使える」即湯循環システムです。従来の即湯循環システムでは「受水槽」が必要でしたが、当社では「水道直結給水」が認証され、受水槽を無くすことが可能になりました。これにより、受水槽のスペースが不要になることはもちろん、そのメンテナンスのコスト・手間も削減しています。これらも含めた、ガス給湯器の能力向上により、従来はボイラーを活用していたケースでも、ガス給湯器が選ばれるケースが増えてきました。ボイラー資格者が不要、ということも大きなメリットかと思います。

 都心などの高層ホテルでは、屋上などの狭いスペースへの設置と、省エネ、経済性のすべてを満たさなければなりません。そうなると、自ずと選択肢は絞られます。高効率ガス給湯システム『DECA-Q』は、それに十分に応えられます。東京五輪に向けた建設需要が旺盛ですが、おかげさまで多くのご支持をいただいています。

 また、業務用ガス給湯器の「保守メンテナンス制度」も好評です。いわゆる遠隔監視サービスで、24時間、給湯器の稼働状況を見守ります。燃焼回数や燃焼時間から事前に判断し、部品交換を行うことで機器の故障を予防したり、エラーが出た場合に速やかに対処します。エラー時には、当社のお客様サービス室とサービス店が連携し、すぐに出動してメンテナンス、修理までを行います。

 「お湯が使えない」。業務用の施設で万一にでもこういったことが起これば、その影響は甚大です。高効率ガス給湯システム『DECA-Q』、そして当社の保守メンテナンス制度をご活用いただくことで、「快適なお湯」を当たり前に、安心してご利用いただくことができます。

この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。

取扱会社

リンナイ株式会社

■熱エネルギー機器の開発・製造・販売

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