建築技術性能証明取得・3800件の施工実績。ウルトラコラム工法
掲載開始日:2015-01-29 00:00:00.0
軟弱地盤に柱状の改良杭を作って地盤を強化するソイルコラム工法。中低層の建築物を中心に広がっています。
なかでも『ウルトラコラム工法』は、建築技術性能証明を取得し、6年間で3800件もの実績を重ねるなど目覚ましい活躍を見せています。ウルトラコラム工法協会(京都市西京区)の山下 達教 理事長に話を聞きました。(聞き手:イプロス編集部)
今回紹介する技術と製品
ウルトラコラム工法
ウルトラコラム工法は、セメント系固化材スラリーを用いる機械攪拌式深層混合処理工法です。
独自形状の十字型共回り防止翼を有する掘削ヘッドを採用し、粘性土地盤などで問題となる土の共回り現象による攪拌不良を低減。また、施工直後にコラムの比抵抗をミキシングテスターで測定し、攪拌状況を確認することで、高品質のコラムを築造できます。
この記事で紹介した製品の関連資料がダウンロードできます。
均一撹拌、施工後の品質管理に優れたウルトラコラム工法
山下 達教 理事長
――ウルトラコラム工法は他の工法とどんな点が違うのですか?
この10年ほどで杭工事は、コンクリート杭を現場に持ち込むやり方から現場で地盤を掘削しながらセメントスラリーを注入して地中に改良杭を作るソイルコラム工法の需要が高まっています。
コラム工法ではスラリーの撹拌が重要なポイントになります。そのなかでウルトラコラム工法は、均一な撹拌状況を施工直後にその混ざり具合を電気比抵抗により確認する(ミキシングテスター)の開発により、従来のコラム工法よりも高品質なソイルコラムが施工できるのが特長です。
建築技術性能証明を取得。6年間で3800件の施工実績
均一な撹拌を実現する特殊な掘削ビット
品質管理試験とミキシングテスター
――具体的にはどんな技術ですか?
まず撹拌について、通常、撹拌用の羽根は2枚が主流ですが、ウルトラコラム工法では共回り防止翼がついた4枚羽根の特殊形状の掘削ビットを使います。これによって土壌を細かく砕き、よりスラリーと混ざりやすくなって均一な撹拌を実現しています。
品質管理では、施工後すぐにミキシングテスター(比抵抗測定器)を使って25cmごとに改良杭の撹拌状況を確認します。他の工法では施工したコラムからサンプリングしたテストピースを1週間後に圧縮検査をして品質を測るのに対し、ウルトラコラム工法は施工直後に撹拌状況を測り、品質管理を行うので安心できる工法です。
(財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得し、2008年からの6年間で戸建て住宅や中低層ビルなどを中心に3800件の施工実績があります。
撹拌性能を向上させたウルトラコラム工法NEOの新規開発
住宅やビル、道路や堤防の基礎など拡大中
――これからについて教えてください。
ウルトラコラム工法を進化させたウルトラコラム工法NEOがあります。スラリーにウルトラリキッドという特殊溶液を加えることで、これまで施工が難しかった水セメント比にて高強度の改良杭を作ることができます。また、それにより現場での残土の発生も抑えられ、掘削スピードも分速1mから2m、改良杭も全長20mまで対応できるようになりました。建機が進化するなかで工法だけが従来のままというのもおかしな話です。最先端の建機に対応させた新しい工法として、ウルトラコラム工法NEOをもっと広めていきたいです。
またウルトラコラム工法自体の知名度を上げ、ウルトラコラム工法協会の会員を全国に増やしていきたいと思っています。ウルトラコラム工法は技術的な優位点だけでなく、運営方法もユニークです。会員は協会への月会費だけで測定器をリースでき、月に何件施工しても追加費用が発生しません。1案件ずつ会員費を支払う他の工法に比べて分かりやすくて割安で、会員から高く評価されています。
会員は個人事業主から地場の土地改良業者、全国展開をしている業界大手まで規模はさまざまです。地盤の品質管理が厳しくなるなかで、厳しい基準を設けているウルトラコラム工法に対して業界内外からの期待は大きく、追い風が吹いています。1社でも多くの会員を増やし、普及を進めていきたいと思っています。
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取扱会社
ウルトラコラム工法に関する技術統括 指定施工会社の認定 指定施工管理者への教育訓練及び認定 指定施工会社及び指定施工管理者への技術的指示及び指導 施工計画書の承認、施工報告書の確認 本工法に関する会員間の情報交換支援 得意先に対する本工法の普及 その他、本会の目的達成に必要な事項