簡単施工の壁面用石材など。石材業界大手がBtoC事業を本格化
掲載開始日:2017-10-02 00:00:00.0
石材業界でトップクラスの企業である関ケ原石材。BtoB事業を主力とする同社ですが、2015年から個人消費者をターゲットとしたBtoC事業に着手し、2017年から活動を本格化させています。個人宅の壁面に絵のように飾るための石材など、従来の枠組みを超えたチャレンジに取り組む理由を、小林社長に伺いました。
今回紹介する技術と製品
石ならではの高級感・厚みが魅力
内装壁材『STONE PALETTE』
『STONE PALETTE』は簡単に壁面に取り付けられる天然石材です。はめ込み式の簡易な取り付け方法ながら強度も確保しています。飾る場所に応じてサイズ・目地・石・仕上げなどを選択可能。高級感や厚みなど、石ならではのデザイン性で空間を彩ります。
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500種以上の石材ラインアップとニーズに応える高い技術力
取締役社長 小林 亮太 氏
当社の設立は1951年に遡ります。翌1952年には岐阜県関ケ原町に工場を構え、以来ここを本社および生産拠点として、大理石やミカゲ石をはじめとする石材の加工・販売・施工など石材事業を展開してきました。このほか、石材表面処理剤事業なども手掛けており、石材業界ではトップクラスの企業だと自負しています。
当社の特徴は何といっても石材の豊富なラインアップです。工場内に常に500種類の良質な石材を揃えており、注文が来たらすぐにご要望通りの加工を施してお届けすることができます。もちろん、実際に来社いただき現物をご覧いただくことも可能です。
また、加工技術や材料を見極める“目”など、60年以上の歴史を通じて培ってきたノウハウも当社ならではの強みとなっています。幅広い種類の材料と高い技術力の両方を併せ持つからこそ、お客様のニーズに対応できるのです。
これまで、当社は建築業のプロをターゲットとしたBtoB事業を主軸としてきました。一般の方に向けたBtoC事業はグループ会社でのストーンアクセサリー販売、ネットショップを通じた石材商品の販売など一部で行っていただけで、関ヶ原石材として本格的なBtoC商品の開発や販売促進は行ってきませんでした。
徐々に高まる個人宅での石材需要。「石の魅力をもっと伝えたい」
(左)HSPのWebサイト (右)7月に開催した東京ミッドタウンでの展覧会
今回、BtoC事業に腰を据えて取り組むのは、個人宅での石材の採用が広がりを見せているためです。昔は石材といえば、富裕層の邸宅やお墓など、ある意味特別な場所で使われるものという認識でした。1990年代から徐々にマンションの玄関に大理石が使用されるようになり、2000年頃から高級感を演出するために石材を選ぶことが当たり前になりました。今はキッチンの天板に天然石材を採用する方が増えています。
石の魅力はやはり高級感です。また、タイルにはない「厚み」を感じられるためデザインの幅も広がります。個人宅でもデザイン性の要求は年々高まっており、これからますます内装用建材としての存在感は高まっていくはずです。
個人宅の建材として石材への関心が高まっているのは確かですが、「一般の方が親しむ」というレベルには達していません。タイルに比べると価格が高いこともあって、若干敷居が高いという印象を持たれているようです。
そこで、「一般の方にも石材の魅力をもっと伝えよう」と2015年にスタートしたのがHello Stone Project(HSP)です。HSPは「石との素敵な出会いをお届けする」ことをテーマに、商品開発に加えて展覧会やワークショップ、ウェブサイトを通じた情報発信も行っています。
簡単施工の内装用天然石材や凹凸が魅力の装飾用商材。
白大理石の代替になる超大判の石調タイルも
HSPの第一弾商品が内装用の天然石材『STONE PALETTE』です。本商品はこれまで専門の職人が行っていた壁面への石材の取り付けを簡単に行うことができます。壁に石を「飾る」という新しい可能性を具現化した商品で、石の種類も石灰岩、大理石、花崗岩を用意し、様々な色や仕上げの種類をお選びいただけます。
BtoC商材として、天然大理石と幾何学模様の組み合わせが特徴的な装飾用商材『STILE DECO』の取り扱いも開始しました。石材の表面仕上げは、ほとんどが平滑ですが、この商材は3D加工によって凹凸をつけることが可能です。そのためよりデザイン性の高い表現が可能で、照明の具合で驚くほど多様な表情を見せます。
もう一つご紹介したいのが『STILE MEGA』です。これは超大判の壁面用石調タイルで、床から天井までを一枚で施工できます。厚みが薄く、天然素材と比べて軽いため施工性に優れ、メンテナンスも楽。この商材は石材ではなく「タイル」ですが、これほど大きなものはタイル業界では一般的に扱いません。そこで、大きい石材を扱ってきた当社の出番というわけです。世界中で品薄が続き、値段が上がっている白大理石の代替品として提案し、店舗内装やリノベーション需要を取り込んでいきます。
今後は、これまでお付き合いの無かった企業とのコラボレーションも推進していく予定です。すでに、ある家具メーカーとの提携により石材を利用したテーブルが商品化され、好評を博しています。
現在取り組んでいるのは、皿やペーパーウェイトなど暮らしに近い製品への展開です。銀を使った食器が「シルバーウェア」と呼ばれるように、石を使った「ストーンウェア」を広めていきたい。「ストーンウェア」は私が考えた造語なのですが、これが生活の中に定着すれば、石にもっと親しみをもっていただけます。年内には何らかの形で発表できる見込みなので、ぜひご期待ください。
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取扱会社
○大理石、ミカゲ石、建築用石材の加工、販売、施工 ○石材規格品の販売、施工 ○記念碑、造園用石等の加工、販売、施工 ○建築石材のリフォーム、リニューアル ○石材表面処理「セキストーンコート」の施工 ○天然石アクセサリーの輸入、販売 ○無機性汚泥のリサイクル、再生土の販売 〇インテリアプロダクトブランド「ISHIZO」の販売 〇ラグジュアリーストーンブランド「SEKIGAHARA|Antolini」の展開