東京ショールーム開設や、新ブランド立ち上げで新市場を開拓

リビエラは、1997年に静岡市で戸建住宅の玄関部分を中心とした天然御影石、大理石、イタリア・スペインの磁器タイルを取扱う建材商社として設立されました。当社のブランドのステートメントは、「理想をカタチに、感動をあなたに」です。当社が取り扱うタイルを「創造力のかけら」と定義し、その「創造力のかけら」を通してお客様の理想の空間を形作るお手伝いをしたいという思いを込めています。

現在はイタリアタイルを中心に、全国７ヶ所に倉庫を設け徹底した在庫管理のもと、注文から2日以内に全国の現場に納品できる体制を構築するまでに成長しました。年間約30万件の新築戸建住宅が施工されていると言われるなか、当社では3万5千～4万件に出荷をしておりますので、10件に1件以上は当社が取扱うタイルをご利用いただいていることになります。デザインの提案から日本の住宅構造にあわせた目地材の開発など、日本の住宅の新しいデザインの創造に微力ながら貢献できたと自負しています。

新たなお客様の開拓を模索するにあたって、それまで実績のあった住宅分野とは異なる商業施設やマンションなどへのアプローチを強化する方針を打ち出し、市場規模の大きい東京にショールームを開設するという案が浮上しました。運よく良い物件も見つかり、2013年3月に交通の便も良い西新宿にショールームを開設することになりました。

東京ショールームのコンセプトは「サローネ・デラ・チェラミカ（陶磁器のサロン）」です。お施主様、設計事務所の設計士、デザイナーと直接コミュニケーションができる場として、デザイン性、閲覧のしやすさ、落ち着いた空間づくりに重きを置いています。

これはオープンしてからわかったことですが、ショールームに来店されるお客様の約40 ％はお施主様になります。中には何時間も滞在してタイルを選んでいく方もいらっしゃいます。東京という市場ではお施主様もこだわりを持った方が多く、価格ももちろんですがそれ以上によいもの探している印象が強く、当社が介在する価値を実感しています。

また、年に3回イタリア・スペイン・アメリカの展示会に出向き、弊社提携のメーカーと直接交渉を行い、製品のラインアップを拡充し提案の幅を広げています。東京ショールームの開設によってお施主様、設計事務所の設計士、デザイナーからより多くの情報をいち早く吸い上げることができるようになったのも大きなメリットになっています。

住宅向けデザインタイルの『RIVIERA』に対して、2014年5月にリリースした『TERRA』は商業施設向けのデザインタイルのブランドになります。設計事務所の設計士やデザイナーなどのプロが対象になりますので、カタログも見やすさ探しやすさを考慮して、木目調・天然石調・磨き・デコレーション・メタル調・セメント調・プレーン・壁用タイルのテイスト別に商品郡をわける構成にしました。また装丁のデザインや製本にもこだわり、「建材」ではなくデザインに必要な「素材」として捉えていただけるよう工夫しました。それに伴い住宅向けブランド『RIVIERA』と会社のロゴも一新し、ブランドイメージを統一しました。

また、カタログだけでなくサンプルもこだわって作り込みました。傷がつきにくい加工をした箱を作り、タイルには『RIVIERA』『TERRA』のブランド名を印字したり、商品名のシールを統一したものを作成したり、細かい部分にも気を配っています。設計事務所やデザイン事務所はサンプルをプロジェクトが終了した時点で捨ててしまうのが一般的ですが、当社のサンプルは場所も取らず空間を邪魔しないデザインなので、ひとつのプロジェクトが終わっても捨てられずに残していただいています。

なかには「これが欲しい」というより、抽象的なイメージでオーダーをされる方も多くいらっしゃいますが、そのイメージを正確に汲み取りながらプラスアルファの提案できるかが鍵になります。それには経験やセンスが必要になりますし、当初は探り探りの部分が多かったですが、ようやく蒔いた種が芽になってきているのを実感しています。