現場トラブル事例 「港湾用防砂シート劣化が原因となる港湾護岸陥没事例」　対策工法案

現場トラブル事例 「港湾用防砂シート劣化が原因となる港湾護岸陥没事例」　対策工法案

現場概要：
本現場では港湾埋め立て地道路を海上に構築するために、石積み築堤護岸を構築し、埋め立て地盤を構築した。埋め立て地道路造成完了から1年足らずで道路脇平地にて陥没が複数個所で発生しました。該当箇所では別途対策工法が必要となり、追加工事が発生する事態となりました。本現場で生じたトラブルは何が原因だったのでしょうか？

推定される原因：
　石積み築堤護岸の表面部箇所に防砂シートを敷設していたが、不具合が発生した箇所で使用されていた防砂シートは短繊維不織布の防砂シートであった。短繊維不織布とは繊維１本の長さが短い繊維で構成された不織布である。石積み築堤護岸に防砂シートを敷設して、土砂を埋め立てするまで一定期間は海水にさらされた状態となっていたと推定される。この際に、短繊維の繊維が海水中に少しずつ流出し、結果として製品の厚み・強度の低下が発生していたと推定される。劣化した防砂シートの上に埋め立て土砂が投入されたが、劣化したシート箇所から石積み築堤護岸内部へ土砂の流入が発生し、埋め立て地盤表層に空洞が発生して陥没が発生したと推定される。