盛り土材や水質浄化材に!廃ガラスから生まれた多孔質軽量資材

掲載開始日:2018-07-30 00:00:00.0


盛り土材や水質浄化材に!廃ガラスから生まれた多孔質軽量資材

地盤沈下対策工事や道路の新設工事などで使われる「盛土材」。軽量化の施策として、従来の“土”ではなく、発泡スチロールや石炭灰、火山灰土などが活用されています。ガラス発泡資材事業協同組合では、その代替品の一つである、廃ガラスびん等から製造された軽量盛土材『スーパーソル』を提供。今回、組合設立の背景や製品の特長、今後の展開について話を伺いました。

今回紹介する技術と製品

優れた透水性・保水性。施工も簡単な“土壌還元型”軽量資材『スーパーソル』

「スーパーソル」は、ガラスびん等からリサイクルされた軽量資材です。成分の約70%はケイ素(SiO2)で、残りもナトリウム(Na2O)やカルシウム(CaO)などで構成されるため、安全な使用が可能。用途に合わせて比重・吸水率をコントロールできるほか、軽量、優れた透水性、保水性、不燃性、断熱性などの特長があります。土木をはじめ、緑化、農業、水質浄化、断熱など幅広く活用されている製品です。

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エコマーク認定の環境配慮型資材。徹底した品質管理のもと全国に供給

ガラス発泡資材事業協同組合 事業統括部長 大柳 総一郎 氏

ガラス発泡資材事業協同組合 事業統括部長
大柳 総一郎 氏

「スーパーソル」は、廃ガラスびんを粉砕、焼成発泡させた軽量資材です。環境に配慮した土壌還元型製品であり、高い透水性・保水性・耐火性などの特徴があります。「スーパーソル」の製造技術は、有限会社岸本国際技術研究所が財団法人クリーン・ジャパン・センター(CJC)と「研究開発事業協力契約」を締結して開発。その研究成果をベースに株式会社トリムが製造装置を開発し、実用化しました。

多くの利点を持つ製品であるため、組合設立前から取扱う企業が多くありましたが、いざ案件を受注しても製造・供給に時間がかかってしまったり、品質や価格が安定しないといった課題が存在しました。一方、それぞれの企業では「もっとスーパーソルを広く知ってもらいたい」という思いもありました。

そこで生まれたのが我々、ガラス発泡資材事業協同組合です。当組合は、スーパーソルの製造、2次製品の製造および共同販売、資材等の共同購入を全国規模で行っています。原料の調達は各地域で行い、各工場で仕分けをしているため、大型案件でも納期を短縮できたほか、輸送コストの削減などが実現しました。

安全性にも力をいれており、全製造過程においてキャップやラベル、残留物などの異物は徹底的に除去。また、最大900℃で高温焼成させることで、無菌状態をつくります。また、有害物質の溶出量の管理など、独自規格のもと製造工程および品質を厳格に管理することで高い安全性と低環境負荷を実現し、エコマークや各県のリサイクル資材認定制度でも認定いただくなど、確固たる評価を得ています。

低環境負荷の軽量盛土材として活躍。
安全性が高く、利用後は残土として処理可能

残土処理が可能な軽量盛土材 『スーパーソル』

残土処理が可能な軽量盛土材 『スーパーソル』

「スーパーソル」の大きな特徴として、“軽さ”があります。比重は土の1/5~1/7ほど。多孔質で、気泡の種類を作り分けることにより、用途に合わせた比重・吸水率をコントロールできます。さらに、敷均しや転圧が簡単で、施工性が非常に優れています。

環境負荷の面では、一般的に、ガラスびんが再びガラスびんとして出荷されるまでには、色分けや洗浄、破砕、輸送といった多くのプロセスが必要なのに対し、スーパーソルは色分けが不要。そのため、最終製品として出荷されるまでの工程を大幅に短縮でき、ガラスびん製造時に比べてCO2の排出量を約3分の1以下に抑えることが可能です。

スーパーソルは、軟弱地盤の沈下抑制や傾斜地での地滑り防止に使用される“軽量盛土材”として利用が広がっています。代表的な軽量盛土材にはEPS(発泡スチロール)やFCB(気泡混合軽量土)、発泡ウレタンなどがありますが、最終的に産業廃棄物になってしまうことが課題です。一方、「スーパーソル」は日本の土壌に大量に存在するケイ素を中心に、身近な生活用品にも使われているカルシウムやナトリウムで構成されているため、利用後に残土として処理が可能です。

水質浄化資材から防犯じゃりまで多用途に展開。
新用途のアイデアも歓迎

校庭などの雨水貯留層の充填材、伊勢えび養畜施設の浄化槽に採用

土木関係以外の用途で大きく期待しているのが水質浄化分野です。スーパーソルの表面にある無数の微細な気泡が有用微生物の住処として機能するため、水質の浄化効果が期待できます。雨水の腐敗抑制を目的として、校庭などの雨水貯留層の充填材に使われたり、食品工場排水をはじめとする汚水処理用途でも採用されています。施工が簡単で工期も短く、ランニングコストを抑えられることがメリットです。

意外だったのが、伊勢えび蓄養施設での採用です。多孔質のスーパーソルはろ過材としても有効で、水質維持能力に優れることから、水の入れ替え頻度の大幅な削減を実現しました。

このほか、一般的な土のうと比べて約4分の1という軽量を活かし、災害発生時の軽量土のうとしての活用も期待されるほか、農業用の暗渠資材や園芸資材、“防犯砂利”など可能性は無限に広がります。最近では、園芸用の砂利に適した「こげ茶色」のスーパーソルの開発に成功し、一般販売に向けて準備を進めているところです。

今後は、土木分野での軽量盛土材を軸に、様々な領域でのチャレンジを続けていくことで、認知度も広げていきたいと考えています。また、「これができるなら、この用途でも使えるのではないか?」というアイデアをお寄せいただければ大変嬉しく思います。軽量、透水性、保水性、耐火性、断熱性、多孔質など、多くの特長を持つスーパーソルの今後にぜひご期待ください。

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取扱会社

ガラス発泡資材事業協同組合

ガラス発泡資材事業協同組合は、ガラス発泡軽量資材「スーパーソル」を市場に供給する事業体が安心安全な製品を供給するため、その品質を保持すると共に、スーパーソルの社会的普及を目指し、開発および普及活動が図れるよう支援することを目的とした事業協同組合です。 ガラス発泡資材事業協同組合の組合員は、スーパーソル製造事業者およびスーパーソル製造特許権を有する業者です。

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