僅かな力で簡単に動かせる大型門扉。空港や工場など幅広い実績
掲載開始日:2017-12-11 00:00:00.0
工場などの敷地を守る「門扉」。大型のものは重量が重いため電動で開閉を行いますが、停電や電動機の故障が発生すると開閉がままならなくなることも。応緑の『HI SPEC-GATE(ハイスペック・ゲート)』は、堅牢かつ高耐久ながら軽く動かせる門扉。今回、同社の河越 祥郞(カワゴエ ヨシオ)社長に「重いのに簡単に動かせる門扉」が生まれた背景や、そのメリットについて伺いました。(HI SPEC-GATEは応緑の商標です。)
今回紹介する技術と製品
門扉『HI SPEC-GATE(ハイスペック・ゲート)』
『HI SPEC-GATE』は、僅かな力で開閉できる門扉です。独自技術により門扉・レールの加工精度、敷設精度を高めることで摩擦抵抗を大幅に低減しています。また、堅牢性や耐久性に優れ、安全機能も充実。開き方や支え方など用途に応じたバリエーションを揃えます。
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「軽すぎて」信じてもらえない!?常識外だった革新的門扉
代表取締役社長 河越 祥郞氏
当社の創業は1972年に遡ります。当時は住宅の家具やキッチンやドアーなどの製作を中心としていましたが、お客様からのご要望に応えるかたちで門扉も手掛けるようになりました。今回お話しする「HI SPEC-GATE(ハイスペック・ゲート)」は、住宅向け門扉からスタートしたというわけです。ご婦人でも簡単に動かせるように、”軽く動かせること”は開発当初から重視していたポイントです。
門扉を扱うようになってからも「問い合わせが来たら売れればいいわ」くらいに考えていましたが、今から19年前に川崎重工業の明石工場に大型門扉を納入したことが転機となりました。
当時、工場の入り口には10mの電動式門扉が設けられていましたが、故障してしまい、新たに手動で動く開口を大きくした24mの門扉を作る計画がありました。ただ、電動機がしょっちゅう壊れるなどで非常にお困りでした。そこで、軽く動かせる門扉があるらしい、ということで当社に声がかかったわけです。
ところが、最初はなかなか製品の性能を信じていただけませんでした。先方の担当者曰く「これまで10mの門扉で守衛の方が2人腰を痛めている。ましてや24mで重量2,400kgの門扉など停電時でも本当に手で動かせるのか?」と。その後、納得いただいて導入に至ったわけですが、従来にはない製品で実績も少なかったので、まず信頼してもらうことに苦労しました。
高度な技術で「重くても、軽く動かせる」を実現。
電動機の負担が軽く、故障が大幅に軽減される
HI SPEC-GATE
「HI SPEC-GATE」の技術的な特徴は門扉・安定器・車輪・レールの精度です。詳しくはお話しできませんが、摩擦抵抗が少なく、僅かな力で動かすことができます。その一方で、軸組部材の厚みは約3~4mmを確保し、全溶接で組み上げているため堅牢性と耐衝撃性に優れます。つまり”重くても軽く動かせる”のです。
軽く動かせるため電動機への負担が少なく、故障がほとんどない点も喜んでいただいています。また、一般的な錆止め塗装に比べて防錆性能が高い溶融亜鉛メッキを施すので、海岸地帯でも約30年使用できるほどの耐久力を誇り、メンテナンスコストを削減できます。
ラインアップとしては、開口部から収納部へスライドする「片引ゲート」、両サイドにスライドして収納される「両引ゲート」、スイングして開く「片開ゲート」、両サイドにスイングして開く「両開ゲート」を取り揃え、様々な設置環境やお客様のご要望に応じたゲートの設計が可能です。
日本最大級・開口103m・重量33tの門扉など実績多数。
「軽過ぎる」と怒られたことも…
神戸空港(ヒラタ学園神戸エアセンター)の設置事例(動画:応緑)
こうした特長から、大型門扉への品質要求が特に高い場所で導入いただいています。例えば、神戸空港には開口45mの片引き電動門扉を納入しています。重量は7t。川崎重工明石工場の約3倍の重さですが、問題なく手で動かすことができます。また、台風が来ても転倒することはありません。岩国錦帯橋空港では日本最大級となる開口103mの門扉を導入いただきました。こちらの重量はなんと33tですが、同じく簡単に動かせます。
「HI SPEC-GATE」は本当にわずかな力で動かせるので、勢いよく閉めてしまう場合があり 大きな激突音がすることがあります。あるお客様からは「軽すぎるわ!」と怒られたこともあるほどです(笑)。
そこで、グリップを握るとブレーキが解除されるブレーキハンドル装置を開発しました。このブレーキハンドル装置を取り付ければ、門扉の暴走を防ぐことができ、安全性がより高まります。ブレーキの他にも転倒防止装置や足・障害物の巻き込みを防止するフェンダースカートや自動ロック装置を搭載するなど安全面も高く評価いただいており、特に安全性が重視される保育園や学校などでも数多く導入いただいています。
セキュリティへの関心は高まるばかり。
防犯新システム開発や生産コスト削減に着手
今後も工場、空港、教育施設などで高い需要を見込む(写真:応緑)
近年、セキュリティへの意識は強まる一方です。テロへの懸念はもちろんのこと、工場の資材置き場などでも需要が高まっています。また、中高一貫などの統合校が増えてきている教育施設でも引き続きニーズを見込んでいます。
正直に申し上げると当社の製品は他社の平均的な門扉と比べると少し価格は高いです。ですが、価格は高くても、価値は2~3倍あると自負しています。ただ、やはり価格面がネックになっていることは否めません。
そこで、ロボット技術を生産工程に取り込むプロジェクトに着手しました。ロボットの導入で生産コストを下げられれば、より多くの方に当社の製品をお届けすることができます。このほか、不正に門扉を開くと関係者に通知が届く防犯システムの開発や、既存門扉の改良やメンテナンス事業も進めています。
社名の「応緑」は、人間の目が一番安らぐ「緑」が由来です。
“いつでも、やすらぎに心から応えられる企業”
でありたいという願いを込めています。これからも当社の技術と製品を通じてより多くの方の“やすらぎ”にお応えし、社会に貢献していきたいと考えています。
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