IP対応インターホンの新モデル。連携機能やカメラ性能が強化

掲載開始日:2017-11-13 00:00:00.0

IP対応インターホンの新モデル。連携機能やカメラ性能が強化 アイホン株式会社

 インターホン業界のトップクラス企業であるアイホン。同社は2018年春にIPネットワーク対応インターホン「IXシステム」の新モデルを発売します。住宅や医療施設といった分野では大きなプレゼンスを発揮する同社ですが、同製品は業務市場向け。新モデルの特長や狙いについてお話を伺ってきました。

今回紹介する技術と製品

IPネットワーク対応インターホン
『IXシステム』

『IXシステム』は、業界に先駆けてIPネットワークに対応したインターホンです。他システムとの連携に加え、長距離での通信にも対応しています。また、サーバーレス方式のため、増設も容易。2018年春には機能が大幅に強化された新モデルが発売予定です。

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業界に先駆けてIPネットワーク対応インターホンを発売。
商業施設や無人駅、工場など幅広い分野で実績

商品企画室 商品企画課 主幹 花井宏忠氏

 当社の創業は1948年に遡ります。当時は「東海音響電気研究所」という社名で、ラジオ、拡声器などの組み立てや修理を手掛けるかたわら、同時通話式インターホンの研究開発を行っていました。1951年にインターホンの生産を開始し、翌年には専門メーカーとしての体制を確立。今の社名に変わったのは1959年です。

 現在はインターホンの国内トップメーカーとして世界約70ヵ国に対し商品の輸出・販売を行っており、アメリカ合衆国のホワイトハウスでも当社の製品を納入しています。

 当社はインターホン市場を大きく3つに分けて捉えています。戸建てやマンションなどの住宅市場、病院や高齢者施設のケア市場、そしてそれ以外の業務市場です。住宅・ケア市場では着工数の大きな伸びは期待できず、もう1つの柱である業務市場も強化していきたいと考えています。

 そこで我々が2013年に投入したのがIPネットワーク対応インターホン「IX」システム(以下、初代IX)です。IP化することで、従来のアナログインターホンでは実現できなかった様々な他社システムと連携することが可能となり、より付加価値を高められました。

 初代IXは業界に先駆けて、監視カメラの規格であるONVIFに対応したほか、24時間常時稼働するカメラを搭載し様々な映像監視システムとの連携を実現しました。また、ピアツーピアのサーバ-レス方式のため、サーバーダウンのリスクがなく、メンテナンス性に優れ、増設も容易です。通信距離の延長やVPN接続による遠隔対応が可能という点も大きな特長です。

 また、住宅用のテレビドアホンと違ってIXのカメラは常時稼働するため、熱対策が問題となってきます。当社の製品は60℃の使用温度にも耐えられるように作るのですが、ドアホンは屋外に設置されることも多く、基準をクリアするのにかなり苦労しました

 発売後は大型商業施設や工場、高速道路の料金所などで導入いただいています。我々も意外だったのが鉄道分野での採用です。これは、無人駅に自動券売機を設置するにあたり、トラブルが発生した際に、有人駅からはお客様の表情が見えた方が対応しやすいという点が採用のポイントでした。これは正面から話している人の顔を捉えるインターホンならではだと思います。

新モデルは映像監視システムとの連携がさらに強化。
バリエーションも充実

新型「IX」。バリエーションが増え、トイレ呼出し関連製品とも連携可能になった

 2018年春に発売予定の新型「IX」(以下、新IX)で、大きく改善したのは「連携機能」「カメラ性能」「バリエーション」の三点です。

 一点目の連携機能については、他社IPシステムとの連携をさらに強化しました。例えば、新IXでは玄関のドアホンでの通話中に、ネットワークカメラの映像を受け側のインターホン端末の液晶モニターに映し出すことができます。カメラ付きドアホンであれば、正面映像とネットワークカメラの俯瞰映像を同時にチェックすることができ、セキュリティ性がより高まります。

 次に、カメラの性能が大きく向上しました。インターホンのカメラ映像は小型液晶モニターに表示することを想定していたため、そこまで高い画質は求められていませんでした。しかし、映像監視システムの場合、映像をPCのディスプレイに表示するため、従来のカメラでは映像が粗くなってしまいます。高画質カメラの搭載によって、映像監視カメラシステムにも問題なく組み込むことが可能となりました。

 また、初代IXでは3種しかなかったインターホン端末のバリエーションも増えています。モニターや液晶端末の受話器の有無を選べるほか、カラーも黒だけでなく白もラインアップし、様々なニーズにお応えすることが可能です。

多機能かつ高機能ゆえに可能性は無限。
防災分野での活用や画像解析技術との融合も視野に

国内営業本部 営業推進部 業務市場担当課長 竹内勝之氏

 ドアホンや液晶モニター端末にSDカードスロットを搭載し、動画の録画や通話の録音も可能となっています。これは、来客の応対を記録したいというお客様の要望を実現したものです。さらに無人受付画面や故障監視機能の追加、転送機能の強化など、非常に多くの面で改善しています。

 IXは周囲の音が大きい場所での利用を想定して開発しています。ドアホンをスピーカーやアンプと連携させれば放送設備としても機能するようになるので、一対一のコミュニケーションだけでなく、一度に多数の人に発信可能です。商業施設や鉄道駅、宿泊施設などでの緊急放送といった、防災分野でもニーズはあると考えています。また、高解像度な動画を取得できるため画像解析技術と組み合わせればさらに面白いソリューションが生まれることでしょう。

 新IXは「サーバーレス方式で増設が容易」「長距離での通信が可能」といった初代の特長を引き継ぎつつ、全面的なパワーアップを遂げた製品です。前述した無人駅での導入事例のように、我々が想像もしない用途が眠っています。今後も、創業以来培ってきたインターホンのノウハウと他システムとの連携を通じ、お客様の課題を解決する新しいソリューションをご提供していきます。

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取扱会社

アイホン株式会社

<主要製品> 戸建住宅向けシステム 集合住宅向けシステム 医療・福祉施設向けシステム 産業・公共施設向けシステム


成功事例